20世紀の芸術に大きな足跡をのこした、スペイン出身のパブロ・ピカソ(1881―1973)。めまぐるしく変貌する多彩な作風を通して、ピカソはその後の芸術の可能性を大きく切り開きました。
ピカソは絵画の制作を中心に、版画や彫刻なども手掛けていましたが、終戦直後の1940年代後半、南仏の陶芸の町ヴァロリスを訪れたことをきっかけに、陶芸の魅力にとりつかれます。同地においてジョルジュ・ラミエが運営するマドゥーラという工房で、陶工の協力を得ながら、陶芸の制作を精力的に始めます。絵画や彫刻の要素も備えながら、土、水、火という自然の力が創り出す陶芸に魅了されたピカソは、皿、水差、花瓶、壺、陶板など、3000点を越える陶芸作品を生み出しました。既存の手法にこだわらず、自由な発想で制作されたそれらの作品は、のびやかな感性とユーモアの精神にあふれ、ピカソの創作の喜びを生き生きと伝えてくれます。
日本スペイン交流400周年事業の一環として開催されるこの展覧会は、ピカソの監修によりマドゥーラ工房で原作陶器をもとにエディションとして制作された陶芸作品を中心に展示します。また、同時代にピカソが手掛けたリトグラフやリノカットなどの版画作品なども、陶芸作品との関連で紹介します。ピカソが晩年に見出した芸術の境地に触れることができる、絶好の機会になるでしょう。
会期
2014.4.5 [土] - 5.18 [日]
休館日
月曜日 (5月5日は開館)
開館時間
午前10時~午後5時30分(入場は閉館の30分前まで)
観覧料
一般1000円(800円)、大高生800円(640円)
※( )内は団体20名以上の料金。
※中学生以下、障害者手帳をお持ちの方(付き添いの方1名を含む)は無料です。
・障害者手帳をお持ちの方は、手帳をご持参ください。
※併せてMOMASコレクション(1F常設展示室)もご覧いただけます。
主催
埼玉県立近代美術館
後援
スペイン大使館
協賛
株式会社LEOC
協力
JR東日本大宮支社、FM NACK5
企画協力
新東通信
特別協力
株式会社ヨックモック
関連イベント
担当学芸員によるギャラリー・トーク
4月12日(土)、4月19日(土)/各日とも15:00から30分程度/2階企画展示室内/企画展観覧料が必要
上映会「ミステリアス・ピカソ 天才の秘密」
4月29日(火・祝日)11:00~、15:00~の2回上映(開場は30分前)/2階講堂/定員:100名(当日先着順)/料金:無料/監督・脚本・編集:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー(1956年、フランス、上映時間80分)/DVDによる上映/内容:ピカソの絵画の制作過程を記録したドキュメンタリー映画。20点に及ぶ絵画が描かれる様子を捉えています。スクリーンには撮影当時のピカソの姿も登場します。
ミュージアム・コンサート
5月18日(日)15:00~(開場は30分前、演奏時間は約60分)/センターホール(地階)/定員:60席(当日先着順)/料金:無料/出演:関根彰良(トケ[ギター])、大橋範子(カンテ[歌])、井田真紀(バイレ[踊り])/内容:フラメンコなども含め、ピカソの故郷スペインに因んだ曲を演奏します。